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DSC_0025.JPG

http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2013_1/?fromid=topmv

歌舞伎~江戸の芝居小屋~という、今タイムリーに興味があるテーマの展覧会に行ってきました。
浮世絵などの一枚絵の類だけでなく、屏風絵から文献資料など幅広い展示で、
歌舞伎が演じられる「場」の変遷が紹介されていてとても面白かったです!
(サントリー美術館さんは屏風絵を沢山お持ちになっているのが特色だったかと思います)
能舞台と同じ形式から始まり、江戸期の芝居小屋、明治22年の歌舞伎座開業、と、
公演の場所としても変貌を遂げながら、伝統文化として生き残ってきた流れを
2フロアの展示で体感することができました。

江戸の芝居小屋の内部を描いた絵では、喧嘩をしている人、飲食をしている人、
煙管を吸ってる人、小さい子供や乳飲み子を抱えたお母さんなどがしばしば
描かれていて、フリーダムで鷹揚、喧騒に溢れた猥雑な雰囲気を感じ面白かったです

江戸時代半ばになると、絵にも透視図法が既に導入されており、
室内の絵は遠近法を使用した絵が多かったのですが(浮絵って言うんですね)
なんというか芝居の規模の大きさを示すために極端にデフォルメされていたりするセンスは
日本だなぁ…という感じで、見ていて非常に面白かったです!
それにしても芝居小屋の賑わいは本当に歓声が聞こえてきそうで楽しそうでした。

もちろん芝居好きの需要は芝居の様子や役者絵だけにとどまらなくて、
楽屋の様子を描いたバックステージ物が人気が出たというのは今も昔も
同じだなあなんてぼんやりと思いました。
江戸時代を通じて、都市民の生活娯楽に根付いた、熱狂的なカルチャーだったんだなぁと
感じさせられ面白かったです。響宴性という言葉がほんとにしっくりくる

http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/enpakunishik/results-big.php?shiryo_no=005-0796

あと、このようなタイプの錦絵↑も数点展示されていて非常に面白かったのですが、
こちらはわざと落書き風に描く?「むだ書き」というれっきとしたジャンルだったのですね…!

歌舞伎役者の方々が描かれた俳句や日本画も展示されていたのですが本当に巧く
書画にも通じていて、文化素養の高さが偲ばれました 
生まれた時から勉強と鍛錬で大変だったのだろうなぁ。

「助六」の遊女・揚巻の衣装が数点展示されていましたが、
東山魁夷画伯のものが展示されており、大変渋かったです…!


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売店でも色々なグッズが販売されていましたが、
隈取金太郎飴のキャンディーに、隈取タオルハンカチ、隈取スヌーピーなどのグッズが
売っていて、眺めるのも面白かったです
隈取スヌーピーwwww 今思うとあれは何だったんでしょうかwww

そして関連書籍コーナーにも少数精鋭の素晴らしい本が揃っていました…!
『江戸の想像力』『江戸百夢』『大江戸観光』(それぞれ文庫版)
『絵本・夢の江戸歌舞伎』などなど

絵本 夢の江戸歌舞伎 (歴史を旅する絵本) 服部 幸雄
http://www.amazon.co.jp/dp/4001106485/ref=cm_sw_r_tw_dp_V20mrb1VNWZVV

…凄い高額なので迷ったんですが購入しました
理解を助けてくれるかなと思いまして…!
研究者と画家のタッグが8年掛けて完成させた大力作で、作者さんも
学問的評価にも耐えうると仰られているくらい、資料として勉強できる本です。

最初の方で、大阪特有の「船乗り込み」の慣習が描かれているのも興味深かったり。
大道具・小道具・衣装はじめ裏方のスタッフの細かな働きや、観客の様子、
舞台下から天井裏の仕掛けまで 本当に細かくて、
当時の芝居小屋の様子を鳥瞰的に再現されたイラストは本当に凄いです。
巻末の解説もとっても親切で勉強になりますし、眺めているだけで楽しくて、
夢に溢れた芝居の世界を絵本の上に現出されている稀有な一冊です。

巻末の解説を読んでいて、歌舞伎というのは全ての場面において
「風流の体現」が根本的な目的にあって、「絵のように美しく作る」こころが
大切にされているということから、だからこそ、浮世絵など絵やデザイン媒体との
親和性が高いのではないかなぁ?などということを今更に考えました。

邪道な楽しみ方なのですが、この絵本、色々な場面(楽屋など)にさりげなく猫が
入り込んで描かれているので、猫好きな方はウォーリーを探せ!みたいな感じで
(今の時代はミッケ!に譬えた方が分かりやすいかしら)探してみても面白いかもです…笑

ゆっても自分は全然歌舞伎を生で見たことがなくて(…)
色々読んで感心しても、百聞は一見に如かずな気もしますので
是非いつか機会があったら歌舞伎を見に行ってみたいな~と思いました


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